2025年8月
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ユニットバス排水口が溢れる前に知っておきたいこと
ユニットバスの洗い場でシャワーを浴びていると、足元にどんどん水が溜まってきて、なかなか流れていかない。これは、排水口が詰まりかけている典型的なサインです。多くの人は、原因を髪の毛や石鹸カスだと考え、市販のパイプクリーナーを流し込んで対処しようとします。もちろん、それが有効な場合もありますが、実は問題はもっと根深い場所にあるかもしれません。ユニットバスの排水口の多くは、「排水トラップ」という構造になっています。これは、お椀を逆さにかぶせたような形になっており、常に水を溜めておくことで、下水管からの臭いや害虫が上がってくるのを防ぐ役割を果たしています。しかし、この複雑な構造が、汚れの溜まり場にもなっているのです。髪の毛や皮脂、石鹸カス、水垢などがヘドロ状になってトラップ内部にこびりつき、水の通り道を狭めてしまいます。排水口の蓋やヘアキャッチャーを外した奥にある、この排水トラップの部品を取り外して直接掃除するだけで、詰まりが劇的に改善されることは少なくありません。しかし、それでも流れが悪い場合は、問題はさらにその先の排水管にあると考えられます。長年蓄積された汚れが硬化して管の内側に付着し、パイプそのものが細くなってしまっているのです。この状態になると、市販の液体クリーナーでは歯が立ちません。専門業者が使用する「高圧洗浄機」で、強力な水圧によって管内の汚れを削ぎ落とす必要があります。排水口の流れの悪さは、単に不快なだけでなく、放置すれば完全な詰まりを引き起こし、洗い場から水が溢れて脱衣所まで水浸しになるという事態を招きかねません。そうなる前に、定期的なトラップの清掃を心がけ、異常を感じたら早めに専門家へ相談することが大切です。