日々の疲れを癒やしてくれるお風呂ですが、長年使っていると浴槽にも劣化が見られるようになります。浴槽の交換を検討する時期は、一般的に築年数や使用状況によって異なりますが、いくつかのサインに気づいたら交換を考えるべきかもしれません。まず、見た目の劣化が挙げられます。浴槽表面にひび割れが生じたり、変色やシミが目立つようになったりした場合です。特に小さなひび割れでも、そこから水が浸入し、浴槽本体や下の構造材を傷める原因となることがあります。 F R P (ガラス繊維強化プラスチック)製の浴槽は比較的ひび割れが発生しやすい傾向があります。また、表面の艶がなくなり、ザラザラした手触りになったり、掃除をしても汚れが落ちにくくなったりするのも劣化のサインです。長年の使用によって蓄積した石鹸カスや皮脂汚れが素材の奥深くに染み込んでしまい、見た目が悪くなるだけでなく、衛生面でも問題が生じます。次に、機能的な問題も交換を考えるサインです。例えば、お湯がすぐに冷めてしまうようになった場合。これは浴槽自体の保温性能が低下しているか、設置方法に問題がある可能性がありますが、古い浴槽では素材の劣化による保温性の低下も考えられます。また、給湯器や追い焚き機能は問題ないのに、浴槽へのお湯張りに時間がかかる、あるいは追い焚きの効率が悪いと感じる場合も、浴槽や関連配管の劣化が原因かもしれません。さらに、浴槽の縁やエプロン部分、あるいは浴槽と壁や床との接合部から水漏れが発生している場合も、非常に危険なサインです。水漏れは、建物の構造材を腐食させたり、カビやシロアリの発生源となったりする可能性があります。目に見えない場所で水漏れが進んでいることもあり、天井にシミができたり、壁が湿っていたりといった異変に気づいたら、浴槽からの水漏れを疑う必要があります。これらのサインが見られた場合、部分的な補修で対応できることもありますが、劣化が進んでいる場合は全体的な交換を検討するのが現実的です。浴槽の平均的な寿命は素材によって異なりますが、 F R P 製で約10年から20年、人工大理石やホーロー製で約20年から30年程度と言われています。
浴槽の交換時期サインとは